韓国が放つ本格ゾンビスリラー「キングダム」シーズン1とシーズン2(合わせて12話)の視聴感想です。
Netflixが初めて全面的に資金提供して制作された韓国ドラマだそうで、脚本を担当したのは「ファントム」「シグナル」などでジャンルものの鬼才として知られるキム・ウニ脚本家。
「史劇サスペンス」と「ゾンビスリラー」を融合させた時代劇ゾンビスリラーという新しさに加え、洗練された演出、映画クオリティの映像、さらに実力派俳優陣による鬼気迫る熱演、ゾンビ物なのになぜかただよう品格!
実は「キングダム・シーズン1」は1年ほど前に視聴済みでしたが、最初からシーズン2ありきの作品でエピローグ的な要素が多く、
「感想を書きにくい!シーズン2を観終わるまで待つ!」
と我慢していたので、満を持して感想を書きたいと思います(^^)/
(しかしシーズン3ありますが)
下の方「ここからネタバレ」と書いたところまではネタバレなしです。
キングダム・あらすじ・キャスト・スタッフ
あらすじ
病に臥せる王を巡り、チョ氏の陰謀が渦巻く朝鮮王朝。時を同じくして国中で謎の疫病がまん延する。
王朝の陰謀を暴き、疫病の謎を解明すべく世子(セジャ・王子のこと)は旅に出ることに。
国の運命を背負うこととなった世子は果たして民を救い、チョ氏から国を取り戻せるのか?また疫病の謎とは?!新感覚の時代劇ゾンビスリラー
キャスト
- イ・チャン世子:(チュ・ジフン)
- ソビ:(ぺ・ドゥナ)
- チョ氏:(リ・スンリョン)
- 王妃:(キム・ヘジュン)
- ムヨン:(キム・サンホ)
- ヨンシン:(キム・ソンギュ)
- アン・ヒョン大監:(ホ・ジュノ)
スタッフ
- シーズン1監督:
キム・ソンフン「トンネル 闇に鎖された男」
- シーズン2監督:「裏切りの陰謀」「ザ・メイヤー」
- キム・ウニ脚本家
「冬のソナタ」「シグナル」
見どころはチュ・ジフンの世子
ワタシ的みどころは何と言っても世子(セジャと読みます)を演じたチュ・ジフン。
「キングダム」は全世界で配信されかなり評判が良いようですが、これは絶対に主役のチュ・ジフンの容姿も一役買っているかと!!アジア人離れした9頭身スタイルに、目は一重の切れ長。そして振る舞いにも立ち姿にも大人な品格のあるチュ・ジフン様(*´з`)
ファッショニスタ、チュ・ジフンが着ると韓服さえもこの通り↑
欧米で絶対受けるでしょう~!
実はこの役は最初にソン・ジュンギにオファーがあったそうなのですが、ソン・ジュンギが断ったためチュ・ジフンに話が回って来たようです。
時期的にソン・ジュンギは結婚を発表したばかりの頃で、結婚式の準備で忙しかったのかしらw でもって「アスダル年代記」の話もあったでしょうから、どちらも取るのは無理。結果的にアスダルを選んだって事ですね。
アスダルはすごく面白い大作ですが視聴率的には振るわず、逆にこちらの「キングダム」は世界中で評価を受けているのでソン・ジュンギには皮肉な結果となりました。
でもどう考えても童顔のソン・ジュンギよりも、チュ・ジフンの方がこの世界観と役には合ってるし、世子様はチェジフンで良かったわーー♥ と私は思ってます。
ソン・ジュンギのファンの皆様すみません(^-^;(でも私もジュンギファン)
ここから下、完全ネタバレ感想となりますので、未視聴の方はお気を付けください!
陰謀とゾンビが世子を襲う、息もつかせぬ展開
物語は舞台は1600年頃、日本侵略後の疲弊した李氏朝鮮です。
王は病に臥せっており、実際の権力は全てチョ氏一族が握っています。その恐怖政治に誰もが怯え、暗く重い空気が宮廷のみならず国全体を包んでいます…。
↓出てきた瞬間からホラーで権力者で悪役な雰囲気をたたえる超ド級の存在感を放つチョ氏。演じるのは名優リュ・スンリョン!(←最近はもう映画しか出ないイメージ。)
世子(次の王になる王子)であるイ・チャン(チュ・ジフン)は実父である王の病状を心配していますが、なぜかチョ氏の娘である王妃に阻まれ、父を見舞う事も出来ません。
イ・チャンは前妻の子なんですね。
なので王妃の事を「母上」と呼んではいるものの、実際は王妃はイ・チャンよりもずっと年下で、彼にとってはいわゆる継母です↓
なぜ父王に会わせてもらえないのか?
病である王は、本当に無事なのか?
そこに陰謀を感じたイ・チャン世子ですが、逆にチョ氏によって「王座を狙う謀反の罪」を着せられ、追われる身となってしまいます。
↑真相を究明すべく、護衛のムヨンを伴い漢陽(ハニャン)から逃れる世子。
しかし行きついた東菜では、“謎の疫病”に感染して亡くなった民衆が次々と化け物(ゾンビ)となって、人肉を求め人間に襲い掛かってくる事態に!
結構グロテスクで衝撃的なシーンが続きます💦
苦手な方はショックを受けるような描写も多いかもしれません。(私は全く平気なんですが)
果たして世子は民を救い、チョ氏から国を取り戻せるのか?
また疫病の謎とは?!
ここから一気にゾンビとの直接対決が始まり、スピーディな息をもつかせぬ展開になっていきます~!
世子覚醒!
さて、その世子様。
シーズン1序盤ではどことなく煮え切らない、頼りない姿も多かったように思います。というのも彼自身、世子(次の王となる皇太子)としての覚悟が決まってなかったのですよね。
しかしチョ氏の陰謀の秘密を突き止め、父王がすでに崩御しゾンビ化されていたことを知ってからは、覚悟が決まった顔になってきました。
初めて王宮を出て(←多分)、チョ氏の暴政によって苦しむ民の姿を目の当たりにし、またゾンビに襲われ逃げ惑う民が現実に目の前にいる状況で、
自分がやるしかないのだ
と世子が変わっていく様が感動的です。
この「キングダム」は世子が人として成長していく過程も細やかに描かれ、そこも大きな見どころです!
疫病とゾンビの恐怖に耐え、チョ氏の追っ手にも命を狙われ、それでも自分を奮い立たせ、行くべき道を進む世子。
聡明さ、リーダーシップ、決断力、判断力。
世子としての、引いては王としての資質を徐々に示し始めるチュ・ジフン様!
あ、違ったイ・チャンだった~(*´з`)
とにかくかっこいいのです。
特にシーズン2では完全に
世・子・覚・醒!
迷いが消えた世子、最強です。
ついにチョ氏との直接対決に、漢陽(ハニャン)乗り込む世子。
ある意味「王の帰還」でもあるこのシーンは、白い喪服姿の世子が笠を脱ぎ捨て正面から堂々と入っていく姿が神々しくさえあり、シーズン2のワタシ的ベストシーンでした。
シーズン1とシーズン2は実は監督が別々です。
どちらも素晴らしいと思いましたが、2ではよりドラマチックで派手な演出が目についた気がしますね。このシーンはまさにそうでした。
またゾンビシーンも2ではパワーアップしています!
ぺ・ドゥナ演じる医女ソビ
キャストの豪華さでも話題になった本作。
ぺ・ドゥナは第二の主役ともいえる重要な役どころで、世子とともに疫病の謎を追う医女ソビを演じました。
いくつになっても少女のような雰囲気のぺ・ドゥナ。世子とも決して「いい雰囲気」にはなりません…笑
しかしその清潔感が医女であるソビという役柄にぴったりだったと思います。
疫病患者を診る様子はさながらナイチンゲール。
疫病の原因となる「生死草」の謎をひたすら追究する姿は、人々を救うことに献身する医者そのものです。
目の前のゾンビをひたすら倒しぶった切る世子やヨンシンたちと並行し、また違う形で疫病と戦う姿が頼もしい!
シーズン3では生死草の秘密に更に迫るストーリー展開が予告されており、間違いなく重要なキーパーソンでしょう。
大注目俳優はキム・ソンギュ!
シーズン1で出てきた瞬間から「誰この俳優?!」と、観てる途中の動画を止めてググってしまったのは、本作でメジャー俳優の仲間入りを果たしたばかりのキム・ソンギュ。
鋭い眼差し、しなやかな身のこなしとキレキレのアクションでとにかく目を引きます。
権力者の暴政と疫病によって、家族も何もかもを失ったヨンシン。どこか謎の多い、ミステリアスなキャラです。
圧倒的に腕っぷしが強く、銃の名手でもあるヨンシン。
一匹狼的なキャラで権力を全く信用していないはずのヨンシンですが、共にゾンビと戦ううちに、世子が「世の中を変えてくれる」と信じ、世子についていくことを決心します。
いつも傍らに控え、世子を守ろうとする姿はかなり萌えます!!
まだシーズン2ではヨンシンの秘密は全て明かされていない気がします。
ハンセン病を思わせる患者が集められた村で、幼い弟と別れるこのシーンの意味も気になってます。(写真貼ったらGoogle先生から警告受けたので削除しました💦)
キム・ソンギュは以前はダンサーを目指していて、主に舞台俳優として活動していたという事。「憑依型の俳優で出る作品ごとに全く違う顔を見せる」と何かの評価にあったので、他の作品の彼を観るのが楽しみです(*´з`)
(へインくんの「半分の半分」に出演予定だそう)
ちなみに素顔はこんな感じ!↓個性的なイケメン。
他のキャラクター
名優ホ・ジュノ演じるアン・ヒョン大監
かつての世子の師匠で、宮廷で孤立し怯える幼きイ・チャンに「不義と戦え」と教えた人です。
生死草の秘密について知るアン・ヒョンは、かつてやむなく犠牲にした民たちのため、いつか恩義に報うと誓った通り、自分を犠牲にし壮絶な最期を遂げました↓
彼もまた不義と戦い、大義の為に死んだという事でですね(T_T)
泣けました。
キム・ヘジュン演じる王妃
↑王の子を産み権力を持つことにただならぬ執着を見せ、実は同じ女性として、その執着心と手段を選ばぬ残虐さがゾンビよりも怖かった…。
キム・へジュン、「ただ愛する仲」ではジュノの妹役で、その時はちょっと演技が・・・?と思いましたが、今作では宮廷での陰謀劇の中心人物としてキモの座った演技を見せてくれました!
キム・サンホ演じるムヨン
↑キム・サンホ演じる世子の護衛、ムヨンはユーモアと暖かさのある人間臭いキャラクターで、ゾンビと陰謀で殺伐としたこのドラマに、常に人間味を与えてきた重要な役柄でした。
しかし、身重の妻をチョ氏に人質に捕られ、結果的に世子を裏切ることになってしまうムヨン(T_T)
世子も薄々は気づいていたムヨンの裏切り。
それでもムヨンを許していた世子。
シーズン1では物足りなかった人間ドラマも、シーズン2ではこのムヨンを始めとする人間関係のエピソードでぐっと深みが増しました。
キム・サンホの涙の名シーンでした。そしてそのシーンの白樺の林の美しさよ!!↓
こういうところにキングダムの美学を感じます✨
おまぬけ地方代官ボルパム
チョ氏一族のはしくれというだけで生き延びた彼。
とっくに死亡フラグ立って早々にゾンビの餌食になるとみんな思いましたよね?!
でも意外な展開でシーズン3でも登場しそうです。
怒涛のラスト、そしてシーズン3へ
シーズン2のクライマックスはアクション映画としても大正解でした!
とにかく倒しても倒しても次々と湧き出るゾンビたち。
もう成す術もなく、絶体絶命の状態に追い込まれる世子たちがどうなるのか?!最後までハラハラドキドキしっぱなし。
そして、自らの命を賭してゾンビを倒す覚悟を決めた男たちの戦いに涙…(T_T)
最高の名場面だったと思います。
しかしせっかくゾンビを全滅させたのに、結局イ・チャンは王位を放棄し、王座に就く事はなく、そこはちょっと残念だったのは私だけでしょうか。
王座に就くめちゃくちゃかっこいいチュ・ジフンを期待してました💦
まぁ王になっちゃうと色々と制限が多いので、シーズン3のためにそこは理解できますけどね(^-^;
シーズン3は7年後が舞台となるようです。
シーズン2の最後では、3の主要なキャストであろう、新たな俳優陣が一部姿を見せていました。
7歳となった幼き王。
実は王家の血をひいていない、他ならぬ護衛ムヨンの忘れ形見です↓
なんと、「椿の花咲く頃」で話題になった天才子役、キム・ガンフンくんじゃないですか。
↓チョ・ハンチョル。
島流しから呼び戻された、イ・チャンの叔父役です。チョ・ハンチョルが演じるからにはそれなりに意味のある役でしょう。
↓幼い王の付き人?
アン・ジェホンだー!これはきっと曲者でしょう。(←偏見)
そしてそしてー!
イ・チャン、ヨンシン、ソビたちが生死草のさらなる秘密を探るうちにたどり着いた先にいた人物は…。
誰もがびっくりのビッグキャストの投入。
キム・ウニ脚本家が「ダメ元でオファーしたら快諾してくれた」と語っていたその女優とは…
チョン・ジヒョン!
これにはびっくりー!女真族の役とのこと。
チョン・ジヒョンが振り向き、そこでば~んと終わったシーズン2。
彼女の登場で最高に華々しく幕を閉じました。
いやがうえにもシーズン3への期待高まりますーーーー!
まとめ感想
Netflixでは15歳以下の視聴は推奨されていない本作。確かに残虐でショッキングなシーンが多かったように思います。
それでも猟奇さで話題を呼ぶ単なるホラーとは一線を画する上質ドラマです。
細部までこだわった建物や衣装、美しいロケシーン、自然光にこだわった映像などは必見。そのうえで人間ドラマに比重を置いたストーリーテリングも最高でした。
シーズン3では全く新しい展開も予告されていて、まだまだ続くキングダムの世界。
今のうちにハマっておくことをお勧めします(^^)/
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チュジフンさんかと思うのですが、修正されたほうが良いかと思います
通りすがりの匿名様!ご指摘ありがとうございます~!
見事に全部間違えており、お恥ずかしい限り・・・。
以後気を付けます💦(^^;)