Netflixで配信中の「みんなの嘘」視聴感想です。
評判をほとんど聞かないままに「イ・ミンギが出ているから!」という理由だけで観ましたが、予想をはるかに超える良作で嬉しい驚き!
(★途中リタイア ★★お暇なら~♪ ★★★面白かった♪ ★★★★お勧め!! ★★★★★絶対みるべし!!)
韓国の刑事ドラマは権力者(財閥、政治家、警察)の腐敗に鋭く切り込む社会派な内容が多いですが、この「みんなの嘘」も正にそれでした。
しかし社会派ドラマでありながらエンターテイメントとしての面白さはきっちり守り、16話一気に観たくなるクライムサスペンスに仕上がってます!
昨年、自分で選んだ2019ベストドラマランキング3位だったソ・ガンジュンとハン・ソッキョの「Watcher」を彷彿とさせるスタイリッシュな演出と俳優陣の好演で、「みんなの嘘」★4つドラマです(^^)/
なるべくネタバレなしで書いてます。一番下にネタバレ感想あり!
「みんなの嘘」あらすじ・キャスト・スタッフ
原題:모두의 거짓말(モドゥエ コジンマル)
放送開始日:2019年10月12日
放送局:OCN
放送時間:土日 午後10:30あらすじ
「自由民主党所属のキム・スンチョル議員が死亡しました。」
ある日突然、議員である父親を失ったソヒ(イ・ユヨン)は、同時に夫のサンフンも失踪してしまい途方にくれる。事故か他殺か分からないキム・スンチョルの事件を捜査するテシク(イ・ミンギ)はソヒの夫サンフンを容疑者とにらんでいたが、その矢先、失踪したサンフンの切り取られた手がソヒの元に送り付けられてくる。
夫がまだ生きていると信じるソヒのため、テシクは捜査を始める。そしてソヒにはサンフンを拉致した犯人から連絡があり「夫を救いたければ、父親の跡を継いで議員になれ」という要求が…。
キャスト
- イ・ミンギ(テシク)「この恋は初めてだから」
- イ・ユヨン(ソヒ)「愛の迷宮ートンネル」
- オン・ジュワン(ヨンミン)
- イ・ジュニョク(サンフン)
- キム・シウン(ジンギョン)
- ユン・ジョンソク(ホギュ)「よくおごってくれる素敵な姉さん」
- イ・ジュニョク(チーム長ユ・デヨン)
- ソ・ヒョヌ
※イ・ジュニョクさん2人いますが、同姓同名の俳優さんです!
スタッフ
- 脚本:チョン・ヨンシン、ウォン・ユジョン「恋はチーズ・イン・ザ・トラップ」
- 演出:イ・
ユンジョン
生々しさが伝わるリアルな演出!
誰もかれもが真実を自分の都合のよいように捻じ曲げ、嘘をついている。「みんなの嘘」はその題名通り、その嘘が引き起こす悲劇の事件が題材のドラマです。
イ・ミンギ演じるソウル広域捜査隊の警部チョ・テシクは、病気の母の面倒を見るため、ソウルから地方の警察署へ転勤願いを出し、刑事として第一線から退くことを決めていた矢先にこの事件を担当することに。
議員が死亡し、その容疑者として一番に捜査線上に浮かんだ議員の娘ソヒの夫サンフンですが、サンフンの切り取られた手が送りつけられてきた事から犯人が誰だか全く分からなくなり、事件は一気に複雑になってゆきます。
↑失踪する夫サンフンを演じたイ・ジュニョクsii。映画「神と共に」では悪役だったけど、2枚目から結構クセのある役までこなして最近注目の俳優さん!
↑噴水のある広場で夫サンフンの手を見つけるソヒ。それを抱きとめるテシク。噴水から吹き上げる水と、泣き叫ぶソヒの演出が印象的な名シーン!
父を亡くし、更に失踪した夫の切り取られた手を見て激しく動揺するソヒですが、夫が生きていると信じて自分が出来る事は何か考え始めます。
そして実はテシクは、幼少時に失踪した姉が30年も経ってから遺体で発見されるという経験があり、今もその事で心に傷を抱えて生きているのです。失踪した夫を必死で探すソヒの姿に自分を重ね合わせ、放っておけなくなるテシク。
この刑事テシクが一見クールなのに実は情に厚く、武骨で男らしいキャラが超絶私好みです(*´з`)
事件解決のために警察内にチームが組まれます↓
↑このチームの面々が最高で、バディものとしても秀逸だった「みんなの嘘」。
キャラがしっかり分かれていて
- テシク:的確な捜査支持を出すリーダー。
- ジンギョン:女ながらに男顔負けの飛び蹴りを繰り出す元気印。
- ホギュ:元エリート会社員で、挫折して警察官に。最初はいやいやチームに合流した頭脳派。
- チーム長ユ・デヨン:暴走しがちなメンバーを抑えるみんなのヒョン。
刑事ドラマはともすればツッコミどころ満載でリアリティにかける描写が多くなりがちですが、この「みんなの嘘」はその部分ですごく現実味があったように思います。
取り調べの様子や、PCやドライブレコーダー、監視カメラなどを利用した捜査手法も「ほー、こうやって調べてるのか」と納得する丁寧な描写が続き、少ないシーンでもドラマにより奥行を持たせたと思います。
また演出も凝っていて、普通は運転しながら話しているだけの車中の会話シーンも、前方から来た車をよけるためバックしながらだったり、捜査チームが警察署内だけでなく宿舎やジムで捜査について話し合うシーンなど、色んな意味でドラマのストーリーが生々しく伝わってきました。
↑潜入捜査で精神病患者にされちゃうホギュ。ぼやっとした顔していますが、演じたユン・ジョンソクはかなり良かった。このドラマできっと大ブレイクするでしょう。←私の予言
はっちゃけキャラのジンギョン↑
テシクを慕うあまり、手紙を読んでしまう冒頭のコミカルなシーン、最高でした(*´з`)
一癖も二癖もある脇役の面々
登場人物の多いドラマです。特に曲者が多くて、誰が本当に悪い奴でそうでないのか?誰が嘘をついているのか?
誰も信用できず、また彼らもお互いを信用せず、ひたすら欺き合います…(T_T)
しかし彼らにもそれぞれキチンとバックグランドがあり、その心情や彼らがそうならざる得なかった背景が丁寧に描かれるので、ただのアホな悪役はいません。(ただのアホ悪役が出てくると、急に見る意欲がそがれるワタシ‥)
↓ソ・ヒョヌさんって初めてみた俳優さんだけど、舞台出身俳優らしく圧巻の演技力でした。
失踪したサンフンの親友ヨンミンを演じたオン・ジュワン↓甘いマスクで優男ばかり演じてきた彼は、このドラマで役者として一皮むけた感じ。
↓一人息子のサンフンを必死に探すJQ財閥の会長。
複雑に絡み合った人物たちの関係と、いたるところに隠されている伏線があります。最後にはそれがきちんと回収されていくのはお見事でした。
イ・ミンギの代表作となった「みんなの嘘」
私は完全にイ・ミンギ目当てでこのドラマを観始めましたが、その意味では十二分に満足できました!!
私の中のイ・ミンギのイメージは「演技力もあってイケメンなのに、キャリアの長さの割に代表作に恵まれてない。出演作もぱっとしない」だったのですが(ファンの方すみません。私も彼のファンです!)、兵役を終えて「この恋は初めてだから」「僕の見つけたシンデレラ」に出演したあたりから、やっと彼の魅力が開花してきたように感じてます。
本作のイ・ミンギは「ついに役に恵まれたね!」と声を掛けたくなるほど熱血刑事という今まで演じたことのないタイプの役柄が似合っていて、キャラを完全消化!本作が彼の代表作になったと言っても過言ではないのは?
ロマンス物が続いた後の硬派な刑事役チョイスも良かったです。彼はメジャーな大作ドラマや映画などにも出られるポテンシャルあると信じているので、これからの活躍にものすごく期待しています(*´з`)
か弱さと強さの両面を魅せた イ・ユヨン(ソヒ)
イ・ユヨンさん、初めての女優さんでしたが、ほっそりとした身体の線と、不思議な色をした瞳がすごく魅力的な人でした。調べたところまだ女優としてのキャリアはあまり長くないよう。
何も出来ず、夫と父の庇護の元穏やかに生きてきた大人しい女性が、父を亡くし夫が失踪し、泣きながらも前に進む姿を熱演しました。
徐々に強くなるソヒ。
失踪したサンフンを一途に思い探し続ける姿が涙を誘いました。
余談ですが、彼女は2017年に恋人であった俳優キム・ジュヒョクさんを交通事故で失っているのですね。その事実を知ると、愛する人を必死に追い求める彼女の迫真の演技も納得の気がしました(T_T)
まとめ感想
緻密な脚本、演出、役者と3拍子揃った秀作だった「みんなの嘘」。
どうしてもWatcherと比較してしまいますが、Watcherよりもかなり分かりやすいストーリー展開が好感が持てました!
その分Watcherの方が感覚的であったりおしゃれだったりするのですが、どちらが好きかは後は好みの問題かな?
私がWatcherを★5つ、このドラマを★4つとした理由は、ラストの違いでしょうか。
Watcherのラストシーンはとにかく圧巻で、韓国ドラマに珍しい映画のようなドラマチックなラストだったのですが、こちらの「みんなの嘘」は比較的想定内の、落ち着いたラストでした。
こちらもどっちがいいかは好みの問題ですね。
硬派なクライムサスペンスでハラハラドキドキしながら、イ・ミンギの超絶かっこいい刑事っぷりを拝みたい方、是非!!
完全ネタバレ感想
終盤、色々な謎が解け犯人が捕まりますが、複雑に絡み合った人間関係から犯人は一人ではないことが分かります。
そして一番の衝撃であったのはサンフンは自らの意志で失踪していたこと!
それでは送られてきた、切断した手足、目玉はいったい誰が?!
なんと、どうしても自分の父親の暴挙を止めたかったサンフン自らがヨンフンに頼んで送らせていたのでした。
脳腫瘍で自分の余命が幾ばくも無いことを知っていたサンフンは、父親が一番大事に思っているはずの一人息子、すなわち自分の体と命を使って、父を止めようとしていたのでした。
これは結構思いがけない展開でした。
でもちょっと無理やりすぎて、しかも愛する奥さんの事を考えると「そんな事ふつうする?!」と思わずにはいられませんね(^^;)
基本的にリアルな脚本だと褒めまくってきましたが、この動機だけはどうしても完全には納得しきれない部分でした。
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ネタバレ注意。
確かにキャスティングや演技力は素晴らしかったですねー。センスいいなー。
ただし残虐性には我慢できなくて。
なかなか素直にお勧めよーとは言いにくい良作だったと思います。
ひよママさん初めまして!コメント有難うございます。
確かに残虐なシーン多々ありましたね。
私はそういったシーンあまり頓着なくてそういう視点が欠けてましたが、苦手な方もいますよね(^^;)
こういった社会派刑事ものは「不正を暴く」というテーマがあっても、それだけでは視聴者がつかないので猟奇的な事件をスパイスに持ってくるのですよね~きっと。